第247話エマの声

デイジーが逮捕された翌週、その家の呼吸は少し違ってきた。

警備は変わらない。

スケジュールも変わらない。

法的な圧力も変わらない。

けれど、恐怖がもう家中の部屋に住み着いているわけではなかった。

恐怖は壁から、隅から、足音と足音のあいだに生まれる沈黙から、すっと退いていった。完全に消えたわけではない――シャーロットはよく知っている、心の傷はそう都合よく跡形もなくはならないのだと――だが、確かに緩んだ。

そして、誰かが名づけるより先に感情の危険を嗅ぎ取ってきたエマが、少しずつ言葉を増やしはじめた。

いきなりではない。

劇的でもない。

断片として。

最初の「きちんとした一文」は、庭で...

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